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Carry on Your Youth楽曲解説「Roll」

どうも
ご無沙汰しております

trio編成のツアーも終わり、一段落

 

 

この場を借りて1曲ずつ楽曲解説していこうと思います
今作の楽曲解説は、頑張っていつもよりヴォリュームUPでお届けします

録音の様子や手法等


体力が続く限り,細かく解説していくつもりです…
つもりです

頑張ります

 


おつきあいください

 

 

 


早速1曲目
「Roll」

 

カリビアンなビートが印象的なこの曲
近年のdelofamiliaの中でもポップな印象が強いかもしれません

ティムバートンの映画「ビッグフィッシュ」からインスピレーションを得ています
物語もそうですが、登場するキャラクター、映画のトーンや色使いetc
とても好きな映画です


この曲のチャームポイントは
電子楽器と人間の共存です

リズムマシーン+生ドラム
シンセサイザー+エレキギター

お互いが力を合わせて成り立っています

 

曲を引っ張っている特徴的ビートは

ioj
↑Roland TR 808という80年代のリズムマシーン

dnie
↑桜井正宏さんに叩いてもらったLUDWIGのドラムセット
が合わさって成り立っています


集中して聴いてもらえると無機質な機械の音と人間臭いラフなドラムセットの音が絡み合っているのがわかると思います

このとき生のドラムセットのキックドラムを締まりのないバフバフした音にするのが肝です
そうする事で808のキックとの距離感がわかりやすくなり立体的なキックの音になります

手前に無機質な808
奥に部屋の音をたっぷり含んだドラムセット
この二つが合わさりユニークな音像のビートが成り立っているのです

 

そのビートにノリや曲のキャラクターを強調してくれるベース
今回はライン録音です
わかりやすくいうとベース本体の音を直接録音する事です
アンプをセッティングしてスピーカーからでる音をマイクで録音する方法とは異なるやり方で、最もポピュラーなやり方です

dmp_l5
今回は知り合いの楽器屋さんからか借りた↑この機材に
ベーシスト及川クンのフェンダープレシジョンベースを繋いで録音しました
とても芯のある音にしてくれるので、音量を上げなくても存在感があるベースサウンドに仕上げてます

 


ギター録音はアンプにマイクを二本立てて録音しました

写真
常日頃愛用しているVOX AC30というアンプから出た音を
5cm離れたマイクで拾う音と
2mくらい離れたマイクで拾った音を聴き比べどっちにするか選択
勿論二つを混ぜて使ってもいいのだが、今回のこの曲には2mはなれて録音された音があっていたのでそちらを採用

マイクはリボンマイクという古くからあるタイプのマイクを使用
どういう構造か詳しい事はわからないが、優しくて暖かい音が録れる


ギターサウンドは基本的に好きな音になるまでエフェクターを繋ぎアンプから出て来た音を録音する

人によっては素の音をとってあとから残響や広がるエフェクトを施す人もいるが、
僕の場合、音の方向性が決まっている事が多いので、エフェクト音を一緒に録ってしまうのだ

あとでする処理はEQで音質を微調整するくらいです(EQはネットで調べてね!)

主に使用したエフェクトペダルは
写真-3

左から リバーヴ ディレイ オーバードライブ


この曲ではこの3つを使用したとメモられていました
(楽曲解説のためにちゃんとメモってあったのです)


そしてこの曲にはシンセサイザーも使われています
奥の方で ファッ ファッ なってるヤツ

写真-4
nord lead2
アナログシンセっぽく音を作り込めるデジタルシンセという変な楽器
主張が少ない音を作りたい時はこいつを使う率高いです

このシンセで作った音をうっすら全編に配置し楽器類は終了

 

ボーカル録音は古今東西、ヴィンテージ、現行品 etc 色々なマイクを用意
色々試しました…結果あまり違いがわからない
8000円のマイクも100万円近いマイクもそんなに変わらない
さすがRie fu
どんなマイクでもいい音でした

とは言うものの若干の差はあるので、
この曲ではSM57というこの世で一番有名なマイクを使用
あまりハイファイではないのですが、音像がコンパクトで曲にフィットしていたのでチョイス!

 

全ての素材を録り終えて
mix作業へ

mixとは
簡単にいうとそれぞれの楽器の音量を決めていく作業(詳しくはお近くのmixに詳しい人に聴いてみよう)

 

僕は音楽をやっていてこの作業が一番好きなのである
「好きなアーティストは?」と聞かれると好きなmixエンジニアで答えてしまうくらいアーティスティックで個性的な表現方法なのだ

ちなみにオールタイムベストエンジニアは
・デイブ フリッドマン
・スティーブ アルビニ
・ナイジェル ゴッドリッチ
日本では
・中村宗一郎
です


まず録音した

808(リズムマシン)
ドラムキット
ベース
ギター3本
シンセサイザー
ボーカル

を並べて聴きながらちまちま調整


808とドラムキットをもうちょっと仲良くさせたかったのでコンプレッサーでノリをコントロール
コンプレッサーとは?
僕もあまりわかってません 笑(詳しくはネットで調べてください)

とりあえずカッコ良くなるまでいじるだけです

使用したコンプレッサーは
DC-2


写真-2
↑このシルバーのヤツ
割と反応早い系です 頭からつぶしたい時によく使います
ですがこの曲では反応遅め,コンプレッション-1~2db程度(写真の設定は関係ありません)
軽くかかっている程度です

このコンプレッサーの後にPCに戻りさらにコンプレッサーを入れて出来上がり

むらなくまとまっているけど個性的でワイルドな質感も残り、カッコいい仕上がりになりました

 

ベースも同じDC 2を使うのですが、コンプをさらに追加

ベース

プラグインコンプ

DC 2

プラグインコンプ

マルチバンドコンプ

という流れ
全部うっすらかけています
そうする事で音の変化が少なくレベルだけ整えられるのです

 

 

 

ギター&シンセサイザーはは録音時にエフェクトやコンプレッションを施術済みなのでEQ調整のみです

 


続いてボーカル
いろいろやったのですが、いまいちしっくりこなかったので
カセットテープ作戦

 


SM57で録音したボーカルは
ローカットEQ

マルチバンドコンプ(サ行高音用)

プラグインコンプ

の流れで下ごしらえをした後
一度カセットテープに録音

 

写真-1
一度カセットに入れる事でレベルもまとまりテープの独特のキャラクターも加えられ小さな音量でも埋もれないヴォーカルになるのです


最終的な流れは
ローカットEQ

マルチバンドコンプ(サ行高音用)

プラグインコンプ

カセットテープ

プラグインコンプ

EQ

(全て控えめな設定)


個性的で
存在感あるボーカルになりました

 

 


後はリバーブで前後位置の調整して
各楽器のレベル調整して出来上がり

 

 

 

気付けばかなりの長文になってしまいました^^:
最後まで読んでくれてありがとうございます

探り探り書いていたらこんな内容になってました
今回の楽曲解説の方向性見えてきました


※曲によっては解説の方向性変わる可能性大です

 

 

 


次回は
M2「Brigitte」
です

 


おたのしみに





ツアー情報

<delofamilia tour 14 “Carry on Your Youth”>

Ticket 全自由 ¥3,780(消費税込み/ ドリンク別)
※4歳以上チケットが必要となります。お客様のご判断にて未就学児童のご同伴をお願いいたします。

■9.12 Fri. 大阪CONPASS
OPEN 19:00 / START 19:30
info 清水音泉 06-6357-3666

■9.13 Sat. 名古屋ell. FITS ALL
OPEN 18:30 / START 19:00
info サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

■9.18 Thu. 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 19:00 / START 19:30
info 渋谷duo MUSIC EXCHANGE 03-5459-8711

2014.7.26 Sat. Tickets On Sale!!
http://delofamilia.com/